精神科
永岡 元博
宇部協立病院の魅力
身体と精神の両面から治療アプローチできる
学生時代に私が理想とする医師像は、困ったときに何でも診察してくれる優しくフレンドリーな町医者でした。宇部協立病院は総合診療、家庭医を謳っており、地域医療を掲げていましたので、私の医師像に近いと思い、入職に至りました。
宇部協立病院は規模こそ決して大きくありませんが、精神科を有する数少ない総合病院の一つです。身体と精神とは表裏一体ですので、その両面から治療アプローチできるのが当院の特徴であり、魅力であると思います。
当院は、無差別平等の医療を実践しています。病気になると働けなくなり、収入もなくなり、生活が立ち行かなくなります。受診費が支払えずに他病院では断られてしまうような方こそ、本当に医療を必要としています。治療により患者さんが心身ともに回復し、復職や就職ができると、我がことのようにとても嬉しい気持ちになります。看護師をはじめとするコメディカルスタッフも大変訓練されており、鋭い人権意識をもち、日々の医療、看護、介護に取り組んでいます。
心がけていること
一期一会の診察を大切に
患者さんやご家族の疑問には、時間をかけて丁寧に答えるようにしています。例えば、「心房細動治療のカテーテルアブレーションって何ですか。」といった他科の知識に関する質問でも、インターネットでわかりやすい図やイラストを探して説明します。少しでも患者さんの不安や悩みを軽減できるようにと心がけています。また、説明の仕方や伝え方はお一人おひとりに合わせて工夫するようにしています。例えば、家族が同伴されなくて患者さんが希望した場合には、検査結果や病気の説明文を用紙に書いて、家族に渡してもらうこともあります。あまりお話しができない患者さんであっても、表情やしぐさを観察して、患者さんの気持ちを代弁して援助できるように心がけています。診察は短くて数分で、長いときは1時間以上に及びますが、一期一会の診察を大切にしたいと思います。
目標・取り組み
生きるエネルギーを回復する診療
医師として20年働いてきて、少しずつ先が見えてきました。精神科は薬物療法と精神療法が治療の大きな柱ですが、特に精神療法を充実していきたいと思っています。錐体外路作用や転倒の問題から、高齢者に向精神薬は使用しづらいなど、薬物療法はどうしてもふらつきや傾眠など副作用との戦いになってしまうからです。
私の理想の診療は、患者さんが生きがいや楽しみについてゆっくり話すことができて、心が癒されて生きるエネルギーを回復していけるようになることです。精神の病気は自傷行為や自殺企図を引き起こすことがあり、できる限りこれらを防いでいきたい。そして、自殺は自殺の連鎖を生むことがありますので、不幸の連鎖を断ち切れるように援助したいと考えています。
永岡先生のリフレッシュ方法
●オン・オフのメリハリをつける
精神科診療では患者さんの話を聞き続けるために、過度の集中力を要します。
そのため夕方頃になると相当疲労しますので、他の先生に申し訳ないと感じながらも、早めに帰宅し鋭気を養うように心がけています。
●趣味を楽しむ
私の趣味は読書、将棋、ドラクエウォークをしながらの犬の散歩です。
ちなみに棋力は将棋ウォーズの10分切れ負けで2級です。
●家族との時間も大切に
当院は週休2日です。当直は免除されていますが、精神科待機は24時間あります。
患者さんが安定していれば、休日はゆっくり過ごせます。
妻との買い物デートもできる時間もとれます。
3人の子育てに参加することができて、子供たちに嫌われずにすんだかなと思います。