白藤  雄五

医師になると、日々の診療に追われ「目の前の患者さんをどうするか」に集中してしまって、広い視野で患者さん、そして背景にある地域の健康を診ることの難しさを感じるのではないでしょうか。医師として疾病を治療し、患者さんが回復していくことへの満足感は当然ながらありますが、私は医学生の頃から「地域に根ざした医療」を実践するためには、病院内にとどまらず、患者さんの背景や地域社会まで考えていきたいという思いがありました。
当院は、患者さんの生活や地域医療の課題まで考えていくことが習慣づき、まさに「地域に根ざした医療」を実践できることが大きな魅力だと思います。患者さんを全人的に診ることや、地域医療に貢献することは、医師一人だけの力でできることではなく、他科や多職種との連携が必要不可欠です。当院は、医師同士、職種間の敷居が低く、非常に風通しがいい環境があります。医師間ではさまざまなことを教え合う雰囲気があり、多職種も巻き込んで意見を交わし合うことができます。難しい問題に直面した時も、皆で協力し合いながら、解決にたどり着く・・・そのような経験が大きなやりがいにつながっています。